手を握っての巻
ふうさん、おはよう。
いつもと変わらないように見えるふうさん。
毎日、この格好でここに寝ていた。
うっすら目が開いていて、本当に昨日の朝までと変わらない。
ただ呼吸をしていないだけ。
ただ冷たくなっているだけ。
今にも息を吹き返してくれるんじゃないかとさえ思う。
最近は、毎日寝るときにふうさんの手を握って寝ていた。
だから夕べもふうさんの手を握って寝たよ。
握っていたから夜中には、冷たかったふうさんの手が暖かくなった。
心残りは、ふうさんの最後の時に一緒にいてやれなかったこと。
あと5分、待っていてほしかった。
あと5分。